パウロは言います。「神に感謝します。神は、わたしたちをいつもキリストの勝利の行進に連ならせ、わたしたちを通じて至るところに、キリストを知るという知識の香りを漂わせてくださいます」。わたくしたちの誰もが、何かしら香りを放ちます。わたくしたちも、わたくしたちが放つ香りの届く者が、キリストによって「救いの道をたどる者」であって欲しいと願います。
キリストは、どこまでもわたくしたちを捉え、取り巻くすべての支配に勝利し、わたくしたちを神のもの、神の顔の前にある者としてくださいます。この私を生み出してくれたお方との交わり、私の命を生かしておられる神との親しい交わりへと、わたくしたちを招き、死を越えて、わたくしたちはこの神との交わりに生かされる。そして、この私さえ救いの道をたどる者としてくださるキリストは、この私の放つ香りが及ぶ者にも救いの道を備えてくださいます。
このため、キリストはわたくしたちの礼拝生活を用い、「命から命に至らせる香り」を漂わせてくださいます。そうしてくださるキリストがおられるのであり、わたくしたちもこのキリストをお迎えして参ります。わたくしたちはこの主イエス・キリストに手を引かれ神を礼拝し、面と向かって私を知ってくださっている神との交わりを重ねさせていただきます。この歩みを、キリストはご自身の福音を伝えるため用いてくださるのです。
神はわたくしたちの造り主です。わたくしたちはこの神に全て知られ、何一つ隠せるようなものを持たない。むしろ神は私以上にこの私を知っており、わたくしたちの死さえも打ち破り、ご自身の勝利に与らせる。この神の、わたくしたちへの変わらぬご意思を、神は御子キリストを十字架の死から復活させ、宣言してくださいました。そしてこの神の宣言を告げる礼拝へとキリストはわたくしたちを招き、わたくしたちを神の顔の前に立ちあがらせてくださるのです。