復活の主イエスは、エマオへと向かう二人の弟子と共に歩んでいます。でも二人は、一緒に歩き始めたこの方が主イエスだと分かりません。たしかに二人は、主イエスが復活させられ生きておられる、と婦人たちが墓でみ使いから聞いたのを知っています。また、やって来たこの方から、メシアは苦しみを受けて栄光に入る、と聖書から説明されるのを聞きました。
ですが二人には、復活の主イエスが共におられると分かりません。二人の目は遮られていたのです。それでも、復活の主イエスはこの二人が目指していたところへと共に歩みます。そして目指す村で主イエスをお引き止めし、家で一緒に食事をしたときのこと、主イエスはパンを取り、賛美の祈りを唱え、パンを裂いて二人に渡します。すると二人の目は開かれ、この方が復活の主イエスだと分かりました。ただそのとき、共におられるこの方のお姿は見えなくなりました。
復活の主イエスは、いつもわたくしたちと共におられます。ですがわたくしたちの目も少なからず遮られていて、主イエスのお姿を見ることができません。そのわたくしたちの歩みは、この二人の弟子たちの歩みと重なります。わたくしたちもまた礼拝において、主イエスがわたくしたちのために十字架で死んだこと、この主イエスを神さまが復活させたことを聞きます。ただそれが私の歩みとどう関わるのか、この方こそ私の救い主だ、とは分からないことから歩み始めます。
それでも復活の主イエスはわたくしたちのところへやって来て、共に道を歩んでおられます。そしてこの目を開き、聖書の言葉も開いてくださいます。たしかに一度に全て分かるとは限りません。でも主は、わたくしたちの目がすっかり開かれ、面と向かって復活の主イエスとお会いする日へと、手を引いてくださいます。わたくしたちはこの日を目指し、天にある者も地にある者も、共に復活の主をほめ讃える歩みを重ねて参るのです。