主イエスは、しるしを見せてくれるよう求めた者たちに向かって言います。「預言者ヨナのしるしのほかには、しるしは与えられない」。与えられるとすれば、ヨナのしるしのみである。そして、ヨナのしるしが与えられる。それがわたくしたちにまで届けられている、と主イエスはご自身の十字架の死と死からの復活を指し示し、ヨナになぞらえて言います。「つまり、ヨナが三日三晩、大魚の腹の中にいたように、人の子も三日三晩、大地の中にいることになる」。
天地創造の神が、十字架で死んで葬られた主イエスを、三日目に死者の中から復活させました。天地創造の神にしかなし得ないこの働きをもって、神さまはわたくしたちに神の声を届けておられます。主イエスの復活を告げ知らせることによって届けておられます。神さまは、わたくしたちをも主イエスに従わせ、死を越えて永遠の命に生かしたいのです。
そこで、この死すべきわたくしたちを罪から救い、ご自分の民とする神の言葉、永遠の命に生かす神の声が、届けられていることをしっかりと受け止める必要があります。というのも、それ以上のしるしはない、と主イエスははっきり言うからです。
これがわたくしたちにとって幸いですのは、他にもうしるしを求めなくて良いからです。信じないわたくしたち、疑い始めたわたくしたちは、どこまでもしるしを求めます。飽き足りず満たされません。そこに安住はないのです。わたくしたちは、与えられたヨナのしるし以上のしるしを求めることから、一旦死なねばなりません。
しかしそのわたくしたちの死を、主イエスこそが、十字架で負ってくださいます。そして、このわたくしたちのため、主イエスは死者の中から復活させられたのです。わたくしたちは、天地創造の神がこの主イエスを復活させた事実へと、自らの全てを寄りかからせて良いのです。この死の先に、永遠の命が備えられているからです。