2015年10月4日日曜日

「執り成す者の幸い」マタイによる福音書5:21-26


「まず()って兄弟(きょうだい)仲直(なかなお)りをし、それから(かえ)って()て、(そな)(もの)(ささ)げなさい。あなたを(うった)える(ひと)一緒(いっしょ)(みち)()場合(ばあい)途中(とちゅう)(はや)和解(わかい)しなさい」そう(しゅ)イエスは()います。たしかに、兄弟(きょうだい)隣人(りんじん)他者(たしゃ)との問題(もんだい)(すべ)解決(かいけつ)し、清廉(せいれん)潔白(けっぱく)()(かみ)さまの(まえ)()つことを(ねが)います。ただ、そのような相手(あいて)簡単(かんたん)和解(わかい)できるとは(おも)えません。わたくしたちは他者(たしゃ)との関係(かんけい)において、そのようなすっきりとした(こた)えを相手(あいて)から()るのは困難(こんなん)(おも)います。むしろその関係(かんけい)において()()くしているのではないでしょうか。その(なか)でわたくしたちは(かみ)さまを(れい)(はい)しています。それは(しゅ)イエスの(おし)えと(はん)することかもしれません。しかしわたくしたちは、そうせざるを()ない。それは(しゅ)イエス・キリストこそが、このわたくしたちのどうにもできないでいる兄弟(きょうだい)との関係(かんけい)解決(かいけつ)へと(みちび)いてくださると(しん)じるからです。
この(しゅ)イエスは、(うえ)から(ささ)えるのではありません。
わたくしたちはと()えば仲裁(ちゅうさい)なら、仲直(なかなお)りすべき相手(あいて)自分(じぶん)よりも(おお)きな(ちから)()つの(ひと)に、()()しを(もと)めます。たとえば、同僚(どうりょう)との関係(かんけい)なら先輩(せんぱい)上司(じょうし)にお(ねが)いするようにです。そこでは、(うえ)からの()()しを(もと)めていると()えます。またそこで期待(きたい)するのは、(たが)いの()(てん)(みと)めあって仲裁(ちゅうさい)()()つことです。
(しゅ)イエスは(した)からわたくしたちを(ささ)えておられます。(しゅ)イエスは(かみ)()でありながら、()すべき(ひと)となってくださいました。(しゅ)イエスは十字架(じゅうじか)()をもって、()すべきわたくしたちの()(つか)えてくださったのです。腹立(はらだ)たしい、ばかで(おろ)かと(おも)えるこの自分(じぶん)(てい)(へん)にまでへりくだってくださり、「そのあなたは()い」と御覧(ごらん)になっている。それは、ご自身(じしん)によって(かみ)さまの(まえ)()たされるべきわたくしたちが、この自分(じぶん)底辺(ていへん)にいるからです。(しゅ)イエスはわたくしたちを(した)から(ささ)え、(かみ)さまに(たい)()()しておられる。(かみ)さまは()すべき(もの)を、わたくしたちが(こころ)(ころ)したままにしておかれないのです。