コリントの教会には、「わたしはパウロにつく」「わたしはアポロに」と言う者がいました。当のパウロはこの地に主イエス・キリストを宣べ伝え、この地に教会を創設しました。また同じく、後にやって来たアポロは、信じる者たちを助けました(使徒言行録18:27)。そこでパウロは確認します。「わたしは植え、アポロは水を注いだ。しかし、成長させてくださったのは神です。ですから、大切なのは、植える者でも水を注ぐ者でもなく、成長させてくださる神です」。
神さまはわたくしたちに出会いを与え、わたくしたちを成長させます。わたくしたちは自分と異なる他者を知ることで、自分が知る世界を新たにされます。他者との出会いは、わたくしたちが生きる世界を広げ、わたくしたちを新たに生かします。その相手がいない世界を生きてきたこれまでの自分から、この相手がいる世界を生きる者へと変えられます。
神さまはさらに、わたくしたちと出会うことでわたくしたちを成長させます。神さまはわたくしたちを愛しています。実に、神など知らぬ時からわたくしたちを愛していました。そしてわたくしたちの死をも超えて愛してくださいます。その証として、神さまは十字架で死んだ御子イエス・キリストを死者の中から復活させました。死んだわたくしたちへと命を得させるほどに、神さまはわたくしたちを愛しており、このご自身を知るよう、わたくしたちに願っておられます。
神さまは、ご自身が愛するということを知る群れとして教会を建て上げます。そこには様々な背景を持つ者がおり、信じ方も人それぞれです。むしろ色々な者がキリストに結ばれているので、教会の裾野はより広くされるのです。わたくしたちを愛する神さまの手の広がりは、そのようにして、一人ひとりへと届けられてゆきます。神さまはこの神を知る礼拝共に与らせ、神に愛されて生きる道をわたくしたちに差し出しておられます。