主イエスが午後三時頃に十字架で死んだ時、墓の口が開くほどの大きな地震がありましたが、十字架につけられた主イエスについては何も起こらず、一日が終わろうとしていました。十字架で死んだ主イエスは、なお十字架につけられたままです。大きな地震で十字架が倒れることもなく、十字架から落ちることもなく、そのまま、一日が終わろうとしていました。
しかし、神さまは、一人の男を立ち上がらせました。アリマタヤ出身のヨセフです。マタイによる福音書はこの男が金持ちだったと言います。すでにこのヨセフも、主イエスに弟子として召し出されていました。今までその顔を現すことはありませんでしたが、神さまはこの時ヨセフを、主イエスの弟子として立ち上がらせます。ヨセフはここで身を投げ打って、一歩外に出たのです。ヨセフは、総督ピラトのもとに自ら出向いて、主イエスのお体を引き渡してくれるよう頼みます。
ヨセフはそのお
体を受け取ると真新しい布で包み、真新しい墓に葬ります。ここで主イエスを丁重に葬るヨセフの姿に、もはや主イエスが呪われた受刑者であるとか、主イエスのお体は汚れたものだなどという様子は見えません。むしろ、主イエスが三日目に死者の中から復活させられたと聞く者にとって、ヨセフの振る舞いは神さまが主イエスを復活させる予兆として見えます。復活の主イエスが人の目に明らかにされたときの光がもう差し込んでいるのです。
ヨセフは、未だ、主イエスを死から復活させる神さまの声を聞けないでいる中、主イエスが召し出してくださったところに立たされました。そして今や、死に勝利したこの方の知らせが、わたくしたちのこの身に実現する神の言葉として届けられており、死すべきわたくしたちに主イエスの復活の命が入り込んできています。神さまはわたくしたちに主イエスの復活を知らせ、主イエスの呼び声のもと礼拝という命の道を与えたのです。